「建設業許可を取った後、会社の役員が変わったら届出が必要?」
「営業所を移転したけれど、建設業許可の変更手続きも必要?」
「営業所技術者等が退職した場合は、いつまでに届出をすればいい?」
建設業許可は、取得したら5年間何もしなくてよいというものではありません。
許可を受けた後に、会社の役員、営業所、営業所技術者等、常勤役員等などに変更があった場合には、建設業法上の変更届等が必要になることがあります。
また、変更事項によって提出期限が異なるため、
「変更があったら、とりあえず更新のときにまとめて出せばよい」
というものではありません。
大阪府では、変更事項によって14日以内または30日以内など、届出の期限が定められています。
この記事では、建設業許可を取得した後に必要となる変更届について、
- どのような変更で届出が必要になるのか
- 14日以内と30日以内の違い
- 役員が変わった場合
- 営業所を移転・新設した場合
- 営業所技術者等が変わった場合
- 常勤役員等が変わった場合
- 変更届を出していないとどうなるのか
- 大阪府で変更届を提出する場合の注意点
を整理します。
- 建設業許可の「変更届」とは?
- 変更届は、変更内容によって提出期限が違います
- 役員が変わった場合
- 営業所を移転・新設した場合
- 営業所技術者等が退職した場合は特に注意
- 常勤役員等が変わった場合も早めの確認が必要です
- 資本金を変更した場合
- 会社の変更と建設業許可の変更は別に考える
- 変更届を出さないままにすると?
- 更新申請と変更届は別の手続きです
- 決算変更届も「変更届」とは別に考えます
- 変更届で必要になる書類は、変更内容によって異なります
- 大阪府では変更届の郵送受付にも対応しています
- 変更があったら、まず何を確認する?
- 変更届は「変更が起きてから」ではなく、事前確認が大切です
- 「この変更、届出が必要?」という段階からご相談いただけます
- まとめ|建設業許可は「取得後の変更管理」も重要です
建設業許可の「変更届」とは?
建設業許可を受けた後、許可申請書などに記載した事項に変更が生じた場合には、変更届などの届出が必要になることがあります。
例えば、
- 商号を変更した
- 資本金を変更した
- 役員が就任・退任した
- 代表者が変わった
- 営業所を新設・移転・廃止した
- 営業所技術者等が変わった
- 常勤役員等が変わった
- 政令第3条の使用人が変わった
などです。
大阪府の最新の「建設業許可変更等届出の手引き」でも、これらの変更について、変更事項ごとに必要な届出と提出期限が定められています。
ここで大切なのは、
「会社に変更があったか」だけではなく、「建設業許可に関係する事項に変更があったか」
という視点です。
変更届は、変更内容によって提出期限が違います
建設業許可の変更届では、すべての変更について同じ期限というわけではありません。
大阪府では、例えば次のように整理されています。
| 主な変更事項 | 提出期限の目安 |
| 常勤役員等の変更 | 変更後14日以内 |
| 営業所技術者等の変更 | 変更後14日以内 |
| 常勤役員等を直接に補佐する者の変更 | 変更後14日以内 |
| 商号・名称の変更 | 変更後30日以内 |
| 資本金の変更 | 変更後30日以内 |
| 役員等の変更 | 変更後30日以内 |
| 営業所の変更 | 変更後30日以内 |
| 政令第3条の使用人の変更 | 変更後30日以内 |
※変更内容によって必要な書類や期限が異なります。
特に注意したいのが、営業所技術者等や常勤役員等の変更です。
「次の人が決まってからまとめて届出をしよう」と考えてしまうと、法令上の期限を過ぎる可能性があります。
変更が発生した時点で、早めに確認することが大切です。
役員が変わった場合
法人の役員等について、
- 新しく役員が就任した
- 役員が退任した
- 代表者が変更になった
- 役員の氏名等に変更があった
などの場合には、変更届等が必要になることがあります。
例えば、代表取締役が交代した場合には、建設業許可についても変更手続きが必要です。
また、新たに役員等が就任する場合には、変更届だけでなく、変更内容に応じた確認資料等が必要になることがあります。
そのため、
「登記だけ変更しておけば、建設業許可については何もしなくてよい」
というわけではありません。
会社の登記変更と、建設業許可上の変更届は、それぞれ確認する必要があります。
営業所を移転・新設した場合
建設業法上の営業所について変更があった場合も、変更届等が必要になります。
例えば、
- 主たる営業所を移転した
- 従たる営業所を移転した
- 新しい営業所を設置した
- 営業所を廃止した
- 営業所の名称を変更した
- 営業所で取り扱う許可業種を変更した
などです。
特に営業所を新設・移転する場合は、住所だけを変更すればよいわけではありません。
その営業所で建設業に関する営業を行うのか、使用権限があるのか、営業所技術者等の配置はどうするのかなど、複数の事項を確認する必要があります。
営業所については、知事許可・大臣許可の区分にも関係する場合があります。
そのため、県外に営業所を新設する場合などは、変更届だけの問題として考えないことが重要です。
→ 建設業許可の営業所とは?|自宅・賃貸マンションでも許可は取れる?
営業所技術者等が退職した場合は特に注意
営業所技術者等に変更があった場合も、変更届等が必要です。
例えば、
- 営業所技術者等が退職した
- 営業所技術者等を交代した
- 新たに営業所技術者等を配置した
- 担当する許可業種を変更した
といったケースです。
営業所技術者等は、建設業許可の重要な要件に関係するため、単なる人事異動として扱うことはできません。
特に、
「営業所技術者等が退職したけれど、後任がまだ決まっていない」
という場合は、早めに確認する必要があります。
変更届の提出だけでなく、許可要件を満たしているかについても確認が必要になる場合があります。
常勤役員等が変わった場合も早めの確認が必要です
常勤役員等について変更があった場合も、変更届等が必要になります。
例えば、
- 現在の常勤役員等が退任した
- 新しい常勤役員等に交代した
- 直接に補佐する者に変更があった
といったケースです。
常勤役員等は、建設業許可の「経営業務の管理体制」に関係するため、変更後も許可要件を満たしているか確認する必要があります。
単に氏名を変更するだけの手続きではありません。
「後任者なら誰でもよい」というわけではないため、交代を予定している段階から確認しておくことが大切です。
資本金を変更した場合
資本金を増額または減額した場合も、建設業許可に関する変更届が必要になることがあります。
例えば、
- 増資した
- 減資した
という場合です。
商業登記上の変更だけで完了するのではなく、建設業許可についても必要な届出を確認します。
また、資本金の変更は財産的基礎等の確認にも関係する場合があります。
そのため、大幅な増資・減資を予定している場合は、会社側の手続きだけでなく、建設業許可への影響も確認しておくとよいでしょう。
会社の変更と建設業許可の変更は別に考える
建設業者からよくあるのが、
「法務局への変更登記はしたので大丈夫だと思っていた」
というケースです。
しかし、
会社の登記手続き
と
建設業許可の変更届
は別の手続きです。
例えば、役員変更について登記が必要な場合でも、それとは別に建設業許可について変更届が必要になることがあります。
そのため、会社に変更があった場合には、
「法務局への手続きは必要か」
「税務関係の手続きは必要か」
「社会保険関係の手続きは必要か」
「建設業許可の変更届は必要か」
と、それぞれ分けて確認することが大切です。
変更届を出さないままにすると?
変更届が必要なのに提出していない場合、単に「書類を出していない」というだけでは済まないことがあります。
大阪府の令和8年3月改訂の手引きでは、変更事由があるのに変更届を提出していない場合や、決算終了後の必要な届出を提出していない場合には、許可の取消対象となることや、更新・業種追加等の申請、経営事項審査の申請ができなくなる場合があるとされています。
そのため、
「更新のときにまとめて出せばいい」
という考え方は避けた方がよいでしょう。
変更が発生した時点で、必要な届出と期限を確認することが重要です。
更新申請と変更届は別の手続きです
「5年ごとの更新のときに、変更も一緒に出せばよいのでは?」
と考える方もいます。
しかし、変更届は、変更が発生したときに定められた期限内で提出するものです。
一方、更新申請は、許可の有効期間が満了する前に、引き続き許可を受けるための手続きです。
つまり、
- 変更があった → 変更届等
- 毎年の決算が終了した → 決算変更届
- 許可を引き続き受けたい → 更新申請
というように、手続きの目的が異なります。
更新の時期が来てから過去の変更を確認するのではなく、変更が発生した都度、必要な手続きを行うことが重要です。
→ 建設業許可の更新とは?
決算変更届も「変更届」とは別に考えます
建設業許可を受けている場合、毎年の決算終了後には、決算変更届の提出も必要です。
これは、役員変更や営業所移転などの「変更届」とは別の手続きです。
したがって、建設業許可を取得した後は、
変更があったときの届出
と
毎年の決算後の届出
の両方を管理しておく必要があります。
「今年は会社に変更がなかったから、建設業許可について何も届出をしなくてよい」
とは限りません。
決算変更届についても、毎年の提出が必要です。
変更届で必要になる書類は、変更内容によって異なります
変更届に必要な書類は、変更の内容によって異なります。
例えば、
- 役員の変更
- 営業所の変更
- 営業所技術者等の変更
- 常勤役員等の変更
- 資本金の変更
では、必要となる書類や確認資料が同じではありません。
大阪府では、変更内容に応じて、変更届出書のほか、登記事項証明書、誓約書、役員等の一覧表、営業所技術者等に関する書類、常勤性や経験年数を確認する資料などが必要となる場合があります。
そのため、
「変更届の様式を1枚出せば終わり」
と考えないことが大切です。
変更内容を確認したうえで、必要な書類をそろえる必要があります。
大阪府では変更届の郵送受付にも対応しています
大阪府知事許可については、各種変更届について郵送や投函ボックスによる受付が案内されています。
ただし、変更内容によって確認書類が必要になる場合があります。
また、現在の手続き方法や受付方法は変更される可能性があるため、提出時には大阪府の最新の案内を確認することが重要です。
なお、これは大阪府知事許可についての取扱いです。
奈良県知事許可、三重県知事許可、国土交通大臣許可などの場合は、それぞれの行政庁の最新の手引きや案内を確認する必要があります。
変更があったら、まず何を確認する?
建設業許可を受けている会社で変更があった場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
何が変わったのか
例えば、
- 役員
- 営業所
- 営業所技術者等
- 常勤役員等
- 商号
- 資本金
- 政令第3条の使用人
などです。
いつ変更が発生したのか
変更届には期限があります。
「変更した日」を確認して、提出期限を把握します。
建設業許可の変更届が必要か
会社側の変更だけでなく、建設業許可についても届出が必要か確認します。
許可要件への影響がないか
特に、
- 常勤役員等
- 営業所技術者等
- 営業所
に変更がある場合は、単なる届出だけではなく、許可要件への影響も確認します。
必要書類をそろえる
変更内容に応じて、登記事項証明書や資格証明、実務経験・常勤性等の確認資料などを準備します。
変更届は「変更が起きてから」ではなく、事前確認が大切です
変更届で特に注意したいのが、
変更してから初めて建設業許可への影響を考える
というケースです。
例えば、
「営業所を来月移転する」
「営業所技術者等が退職する予定」
「役員を交代する予定」
「県外に営業所を新設する予定」
といった場合には、変更する前に確認しておく方が安全です。
変更後に要件を満たせないことが分かると、手続きが複雑になる場合があります。
特に営業所技術者等や常勤役員等の交代、営業所の新設・移転などは、変更前に確認することをおすすめします。
「この変更、届出が必要?」という段階からご相談いただけます
建設業許可の変更届について、
「役員が変わったけれど届出が必要?」
「営業所を移転するけれど、何をすればいい?」
「営業所技術者等が退職する予定だけれど大丈夫?」
「以前の変更届を出していないかもしれない」
「更新が近いけれど、過去の変更を整理できていない」
といったご相談があります。
弊所では、まず、
現在の許可内容
↓
今回の変更内容
↓
変更が発生した日
↓
許可要件への影響
↓
必要な届出
↓
必要な確認資料
という順番で整理します。
まだ正式に変更届を依頼すると決めていない段階でもご相談いただけます。
「この変更は建設業許可について何か手続きが必要なのか分からない」というところから、一つずつ確認します。
まとめ|建設業許可は「取得後の変更管理」も重要です
建設業許可の変更届について、まず押さえておきたいのは次の点です。
- 建設業許可取得後、一定の事項に変更があった場合は変更届等が必要
- 変更事項によって提出期限が異なる
- 常勤役員等や営業所技術者等の変更は、特に早めの確認が必要
- 役員や代表者の変更についても、建設業許可上の届出を確認する
- 営業所の新設・移転・廃止なども変更届の対象となる
- 会社の登記変更と建設業許可の変更届は別の手続き
- 変更届と、毎年の決算変更届、5年ごとの更新申請も別の手続き
- 変更届を提出していない場合、更新や業種追加等に影響することがある
- 営業所技術者等や常勤役員等の交代は、変更前から確認することが重要
- 申請先の行政庁によって手続きや提出方法が異なる場合がある
特に、
「会社で変更があったら、建設業許可にも変更がないか確認する」
という習慣をつけておくことが大切です。
「役員が変わった」
「営業所を移転する」
「営業所技術者等が退職する」
「会社の組織を変更する」
などの場合は、変更してから考えるのではなく、できるだけ早い段階で建設業許可への影響を確認してください。
弊所では、建設業許可について、何から考えればよいか分からない段階からご相談いただけます。
