古物商許可を取得するとき、
「管理者って何をする人?」
「代表者がそのまま管理者になればいい?」
「法人の場合は誰を管理者にすればいい?」
と迷う方も多いと思います。
古物商許可では、営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。
管理者は、単に名前だけを登録する人ではありません。
営業所における古物営業を適正に行うための責任者として、法律上の役割があります。
この記事では、古物商許可における管理者の基本的な役割と、代表者との違い、選任するときに確認しておきたい点について解説します。
古物商の「管理者」とは?
古物営業法では、古物商は営業所ごとに、当該営業所に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者1人を選任しなければならないとされています。
つまり、管理者は営業所における古物営業を適正に行うための責任者です。
そのため、古物商許可を取得するときは、営業所だけでなく、その営業所の管理者についても決めておく必要があります。
管理者は営業所ごとに1人必要です
古物商に複数の営業所がある場合は、それぞれの営業所について管理者を選任する必要があります。
例えば、
- 営業所が1か所なら管理者は1人
- 営業所が2か所なら、それぞれの営業所について管理者を選任
というように、営業所と管理者を対応させて考える必要があります。
営業所を複数設ける予定がある場合は、許可申請の段階から管理者について整理しておきましょう。
管理者と代表者は同じ人でもいい?
個人で古物商許可を取得する場合、事業主本人が管理者になるケースがあります。
また、法人の場合も、代表者が営業所の管理者を兼ねることがあります。
ただし、代表者だから必ず管理者になる、という制度ではありません。
管理者は、営業所における古物営業を適正に行うための責任者です。
そのため、代表者と管理者を同じ人にするのか、別の人にするのかは、実際の営業体制を考えて決める必要があります。
法人の場合は誰を管理者にする?
法人の場合、会社の代表者と営業所の管理者が別人になることもあります。
例えば、代表者は会社全体の経営を行い、営業所では別の従業員が日常的に古物営業を管理するという体制です。
この場合は、その営業所について適正に業務を行える人を管理者として選任することになります。
法人の役員でなければ管理者になれない、という制度ではありません。
重要なのは、法人の代表者であるかどうかだけではなく、営業所における古物営業を適正に行うための管理者として適切かどうかという点です。
管理者には古物営業に関する役割があります
管理者は、営業所における古物営業を適正に行うための責任者です。
そのため、単に許可申請書に名前を記載するだけの立場ではありません。
古物営業では、古物の取引に関する確認や帳簿等の作成・保存など、法令上の義務があります。
管理者には、こうした古物営業が適正に行われるようにするための役割があります。
営業所で実際に古物営業を行う体制を考えたうえで、管理者を選任することが大切です。
管理者になれない場合があります
管理者については、誰でも自由に選任できるわけではありません。
古物営業法では、管理者について一定の欠格事由が定められています。
例えば、
- 未成年者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 一定の刑罰を受け、その執行を終わるなどしてから5年を経過していない者
- 暴力的不法行為等を行うおそれがある者
- 心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者
などについて、法律上の制限があります。
具体的な欠格事由は法令で定められているため、管理者を決めるときは、単に年齢や勤務関係だけで判断しないことが重要です。
管理者には特別な資格が必要?
古物商の管理者になるために、行政書士などのような国家資格が必要になるわけではありません。
ただし、取り扱う古物の種類によっては、管理者について一定の知識、技術又は経験が求められる場合があります。
古物営業法施行規則では、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所等の管理者について、不正品の疑いがある車両等を判定するために必要な知識、技術又は経験について定めています。
そのため、自動車等を取り扱う古物商については、一般的な古物商とは別に確認しておくべき事項があります。
管理者を決める前に確認したいこと
管理者を選任するときは、次のような点を確認しておきましょう。
- どの営業所の管理者なのか
- 営業所で実際に古物営業を適正に管理できる体制なのか
- 法律上、管理者になれない事情がないか
- 個人の場合、本人が管理者になるのか
- 法人の場合、代表者や役員、従業員の誰を管理者にするのか
- 自動車等を取り扱う場合、必要な知識や経験について確認が必要ではないか
特に法人の場合は、会社の代表者と営業所の管理者を別々に考える必要があります。
管理者が変わった場合はどうする?
古物商許可を取得した後に管理者を変更する場合は、変更の手続が必要になります。
奈良県警察では、管理者の変更について変更届出の対象として案内しています。
そのため、
「最初に決めた管理者が退職した」
「別の人を管理者に変更した」
といった場合には、そのままにせず、必要な手続を確認することが大切です。
管理者についてよくある勘違い
代表者なら必ず管理者になる?
いいえ。
代表者と管理者は、それぞれ別の役割です。
代表者が管理者を兼ねることもありますが、必ず同じ人にしなければならないという制度ではありません。
管理者は単なる名前だけの登録?
いいえ。
管理者は、営業所における古物営業を適正に行うための責任者です。
そのため、実際の営業体制を考えずに名前だけを登録するという考え方は適切ではありません。
従業員でも管理者になれる?
法人の代表者や役員に限られるわけではありません。
営業所における古物営業を適正に行うための管理者として選任することを前提に、実際の営業体制を確認する必要があります。
管理者を決めることは、営業所を決めることとセットで考えます
古物商許可では、営業所と管理者を別々に考えることはできません。
営業所ごとに管理者を選任する必要があるためです。
そのため、
「どこを営業所にするのか」
「その営業所で誰が古物営業を管理するのか」
を一緒に整理しておくことが大切です。
自宅を営業所にする場合や、法人で複数の営業所を設ける場合などは、特に事前の整理が重要になります。
管理者を誰にすればいいか分からない方へ
古物商許可を取得する場合、
「自分が管理者になればいいのか分からない」
「法人の代表者と従業員のどちらを管理者にすればいい?」
「営業所が複数ある場合はどうすればいい?」
など、営業体制によって迷うことがあります。
弊所では、これから行う古物営業の内容や営業所の状況を確認しながら、管理者を含めた申請内容を整理します。
まだ管理者を決めていない段階でもご相談いただけます。
「誰を管理者にすればいいのか分からない」という段階から、まずはご相談ください。
