経審のW点とは?社会性等の評価項目と確認ポイント

経審ブログ

経営事項審査(経審)の結果通知書には、「W」という評価項目があります。

Wは、建設業の担い手の育成・確保、防災活動への貢献、営業継続の状況、建設機械の保有などを評価する項目です。

ただし、すべての取組や設備が評価対象になるわけではありません。また、項目によっては減点につながる場合もあります。

この記事では、W点の基本的な仕組みと主な評価項目、申請前に確認しておきたいポイントを解説します。

経審のW点とは?

Wは、経営事項審査における「その他の審査項目(社会性等)」の評点です。

完成工事高や財務内容、技術力だけでなく、建設業者の社会性等に関する取組や状況も評価されます。

主な評価項目は、次のとおりです。

評価項目主な評価内容
W1建設工事の担い手の育成・確保に関する取組
W2建設業の営業継続の状況
W3防災活動への貢献
W4法令遵守の状況
W5建設業の経理の状況
W6研究開発の状況
W7建設機械の保有状況
W8規格による認証・登録の状況

各項目にはそれぞれ評価基準があり、取組を行っているだけで必ず加点されるわけではありません。

自社のW点を確認する際は、加点の可能性だけでなく、現在の評価状況や減点につながる事項も確認することが大切です。

W点はP点にどのくらい影響する?

経審の総合評定値(P点)は、次の算式で算出されます。

P点 = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W

Wのウェイトは15%です。

WはP点を構成する評価項目の一つですが、WだけでP点全体が決まるわけではありません。

また、Wの評点が変わった場合にP点がどの程度変化するかは、評点の計算結果などによって異なります。

経審全体の評価項目については、こちらの記事もご覧ください。

W点では何が評価される?

建設工事の担い手の育成・確保

建設業の担い手の育成・確保に関する取組が評価されます。

例えば、建設業退職金共済制度や退職金制度、法定外労働災害補償制度、若年の技術者・技能労働者の育成・確保、技術や技能の向上に向けた取組、ワーク・ライフ・バランスに関する取組などが関係します。

また、2026年7月1日以降の申請では、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」に関する評価項目が新設されています。

ただし、制度への加入や宣言などを行えば、必ず加点されるわけではありません。審査基準日や取組状況など、所定の要件を満たしているか確認する必要があります。

建設業の営業継続

建設業の営業年数など、事業を継続してきた状況が評価されます。

また、民事再生法や会社更生法の適用に関する項目も含まれます。

営業年数は、短期間で変更できるものではありません。自社の営業年数が経審上どのように評価されているかを確認しましょう。

防災活動への貢献

地方公共団体などとの防災協定の締結状況が評価対象となります。

ただし、防災協定があれば無条件に加点されるわけではありません。経審上の評価対象となる協定かどうかなど、所定の要件を確認する必要があります。

法令遵守の状況

法令遵守に関する評価では、営業停止処分や指示処分など、所定の行政処分が評点に影響する場合があります。

一般的なコンプライアンス活動を行っていること自体が、そのまま加点につながるというものではありません。

加点項目だけでなく、減点につながる事項がないかを確認することも大切です。

建設業の経理

建設業の経理に関しては、監査の受審状況や公認会計士等の数などが評価対象となります。

資格者がいるだけで必ず加点されるわけではありません。資格や配置状況、経理体制などについて、経審上の要件を確認する必要があります。

研究開発

研究開発の状況も評価対象となります。

実際に研究開発を行っている会社は、その状況が経審上の評価対象となるかを確認するとよいでしょう。

すべての建設業者に研究開発への取組が求められるわけではありません。自社の事業内容や研究開発の状況に応じて確認してください。

建設機械の保有

一定の建設機械の保有状況が評価対象となります。

建設機械であれば何でも評価されるわけではなく、対象となる機械の種類や保有状況、検査などの要件があります。

2026年7月1日以降の申請では、評価対象となる建設機械が追加されています。以前に作成したチェックリストなどを利用する場合は、現行制度に対応しているか確認しましょう。

規格による認証・登録

国または国際標準化機構が定めた規格による認証・登録の状況も評価対象となります。

例えば、ISO9001やISO14001などの認証が関係します。

ただし、認証を取得すれば必ずP点が大きく上がるわけではありません。取得・維持にかかる費用や社内体制への影響も含め、会社の事業方針とのバランスを考えることが大切です。

2026年7月の制度改正で注意したいこと

2026年7月1日以降の申請では、Wの評価項目や評価方法の一部が変更されています。

主な変更点は、次のとおりです。

  • 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」に関する評価項目の新設
  • 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するための措置に関する配点の見直し
  • 建設機械の評価対象の拡大
  • 雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入状況に関する評価項目の削除

特に、自主宣言制度については、審査基準日における宣言状況や、宣言した取組に関する誓約など、所定の要件があります。

また、社会保険の加入状況に関する評価項目が削除されたことは、社会保険への加入義務そのものがなくなったという意味ではありません。経審における評価項目の変更と、法令上の加入義務は区別して考える必要があります。

制度改正の詳細については、国土交通省の公式資料をご確認ください。

参考: 国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年2月6日公布)」

大阪府知事許可業者の場合は、大阪府「経営事項審査の申請・証明等」から、最新の手引きや様式も確認できます。ほかの許可行政庁で申請する場合は、それぞれの最新の案内をご確認ください。

W点を改善したい場合は、まず現在の評価を確認する

W点を改善したい場合、いきなり新しい制度や認証の導入を検討するのではなく、まず現在の経審結果を確認しましょう。

確認したいポイントは、次のとおりです。

  • 現在、どの項目が評価されているか
  • 前回の経審と比べて、Wの評点がどのように変化したか
  • すでに行っている取組で、評価対象として確認できていないものがないか
  • 次回の審査基準日までに対応できる項目があるか
  • W以外のX1・X2・Y・Zに課題がないか

すべての項目に取り組む必要はありません。会社の事業内容や現在の取組状況によって、確認すべき項目は異なります。

また、経審の評点改善はWだけで考えるものではありません。会社によっては、完成工事高や技術職員、財務内容などを確認する方が重要な場合もあります。

W点の必要書類は会社によって異なる

Wの評価を受けるために必要となる書類や確認資料は、申請する項目や会社の状況によって異なります。

必要書類を一律に判断するのではなく、申請する項目と申請先の最新の手引きなどを確認する必要があります。申請内容によっては、その他必要な書類や確認資料が求められる場合もあります。

W点についてよくある質問

Q.W点は、加点項目が多い会社ほど高くなりますか?
一概にはいえません。各項目にはそれぞれ要件があり、一定の場合には減点となる項目もあります。加点項目の数だけでW点を判断することはできません。

Q.建設機械を持っていれば加点されますか?
一定の要件を満たす建設機械が評価対象となります。対象となる機械の種類や保有状況などを確認する必要があります。

Q.ISOを取得すればW点は上がりますか?
経審上の評価対象となる認証・登録であれば、一定の評価につながる場合があります。ただし、取得すれば必ずP点が大きく上がるというものではありません。

Q.W点を上げれば入札で有利になりますか?
WはP点の一部を構成するため、Wの評点はP点に影響します。ただし、入札参加資格や格付け、発注条件などは発注者ごとの制度によって異なります。W点だけで入札の可否や格付けを判断することはできません。

まとめ

経審のWは、「その他の審査項目(社会性等)」です。

担い手の育成・確保、防災協定、営業継続、建設業の経理、研究開発、建設機械の保有、認証・登録など、幅広い項目が評価対象となります。

WのウェイトはP点の15%ですが、WだけでP点全体が決まるわけではありません。また、各項目には所定の要件があり、加点だけでなく減点にも注意が必要です。

大切なのは、すべての項目に取り組むことではなく、自社の現状を確認し、経審上どのように評価されているかを把握することです。

次回の経審に向けて、現在の評価状況や今後対応できる項目を早めに整理しておきましょう。

経審のW点や評点改善について確認したい建設業者の方へ

「自社では、どのW項目が評価対象になるのか分からない」
「現在のW点を確認したい」
「次回の経審に向けて、確認しておくべき項目を整理したい」
このような場合は、現在の経審結果や会社の状況を確認したうえで検討することが大切です。

弊所では、建設業許可や決算変更届、経営状況分析、経営事項審査など、建設業に関する手続きのご相談をお受けしております。

経営事項審査(経審)のサポートについてはこちら

その他の許認可・行政手続についてはこちら

【経審ブログを見る →】

個別相談をご希望の方は、以下のページをご利用ください。

初回60分無料相談|毎週3名様

根拠・参考資料

タイトルとURLをコピーしました