経審の完成工事高とは?X1・業種別に考えるポイント

経審ブログ

経営事項審査(経審)では、完成工事高が「X1」の評価に関係します。

「完成工事高は会社の売上高と同じなのか」「何年分の工事高が評価されるのか」「複数の建設業許可がある場合、業種別にどう整理すればよいのか」
このような疑問をお持ちの建設業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

経審では、会社全体の売上高だけでなく、建設工事の内容や業種区分に応じて完成工事高を整理します。

この記事では、完成工事高とX1の関係、元請完成工事高との違い、業種間積み上げの基本を解説します。

経審における完成工事高とは?

完成工事高とは、建設工事について、所定の会計処理や業種区分に基づいて整理する工事の完成高です。

会社全体の売上高と、経審で評価される完成工事高は、必ずしも一致するとは限りません。

例えば、建設業以外の事業も行っている会社では、会社全体の売上高に建設工事以外の売上が含まれている場合があります。

また、複数の建設業許可を持つ会社では、工事の名称だけでなく、実際の施工内容に応じて業種区分を確認する必要があります。

大切なのは、会社全体の売上高だけで判断せず、工事内容と決算関係の資料を照合しながら整理することです。

完成工事高はX1で評価される

経審のX1は、許可業種別の年間平均完成工事高を評価する項目です。

総合評定値(P点)を算出する際、X1のウェイトは25%です。

ただし、完成工事高だけでP点全体が決まるわけではありません。P点は、X1・X2・Y・Z・Wの各評点を所定の割合で合算して算出されます。

P点の仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

→ 経審のP点とは?算出方法とX1・X2・Y・Z・Wの見方

X1では直前2年または3年の年間平均完成工事高を確認する

X1の算出では、申請する業種について、直前2年または直前3年の年間平均完成工事高を用います。

そのため、単年度の完成工事高が増えたからといって、次回のX1が必ず大きく上がるとは限りません。

どちらの平均を用いるかは、経審の所定のルールに従って判断する必要があります。対象年度や選択方法を自己判断せず、申請先の最新の手引きなどを確認しましょう。

申請時期や決算変更届との関係については、こちらの記事で解説しています。

→ 経審はいつ受ける?申請時期と決算変更届との関係

完成工事高は業種別に整理する

経審では、申請する業種ごとに完成工事高を整理します。

例えば、土木工事と舗装工事の両方を行っている会社では、それぞれの工事内容がどの業種に該当するかを確認する必要があります。

会社が許可を取得している業種だけを見て、工事の計上先を自由に決められるわけではありません。実際の工事内容と建設業の業種区分に基づいて整理することが重要です。

複数の業種について経審を受ける場合は、工事経歴書や決算関係の資料などとの整合性も確認しておきましょう。

完成工事高と元請完成工事高の違い

完成工事高と元請完成工事高は、経審上の評価目的が異なります。

  • X1: 許可業種別の年間平均完成工事高
  • Z: 技術職員数と許可業種別の年間平均元請完成工事高

元請完成工事高は、Zの評価に関係する項目です。

そのため、完成工事高と元請完成工事高を混同せず、それぞれの評価に必要な内容を整理することが大切です。

技術職員やZ点について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

→ 経審の技術職員とは?資格・人数・加点の考え方

業種間積み上げとは?

業種間積み上げとは、一定の要件を満たす場合に、ある業種の完成工事高を別の業種の評価に加算する取扱いです。

例えば、所定の要件を満たす場合には、専門工事業の完成工事高を一式工事業の評価に含める取扱いがあります。

ただし、どの工事でも自由に別の業種へ振り替えられるわけではありません。対象となる業種や許可、工事内容などについて、所定の要件を確認する必要があります。

業種間積み上げを利用する場合には、所定の付表などが必要となることもあります。

利用できるかどうかは、会社の許可状況や工事内容、申請する業種などによって異なります。具体的な判断は、申請先の最新の手引きや様式に従って行いましょう。

完成工事高を確認するときのポイント

経審の申請に向けて、次の点を確認しておくとよいでしょう。

  1. 工事内容と業種区分が適切か

工事の名称だけで判断せず、実際の施工内容と業種区分を確認します。

  1. 完成工事高の金額が適切か

決算関係の資料や工事経歴書などとの整合性を確認します。

  1. 対象となる年度を確認しているか

直前2年平均または直前3年平均について、適用されるルールを確認します。

  1. 元請完成工事高と区別できているか

X1とZでは評価する内容が異なるため、区別して整理します。

  1. 業種間積み上げを利用できるか

複数の業種について経審を受ける場合は、要件を満たす取扱いがあるか確認します。

なお、実際に必要となる書類や確認資料は、申請先や申請内容によって異なる場合があります。その他必要な書類が求められる場合もあるため、最新の手引きなどをご確認ください。

完成工事高についてよくある質問

Q.完成工事高は会社の売上高と同じですか?
必ずしも同じではありません。建設業以外の売上が含まれている場合などは、会社全体の売上高と経審上の完成工事高が一致しないことがあります。

Q.X1は今年の完成工事高だけで決まりますか?
いいえ。原則として、直前2年または直前3年の年間平均完成工事高を用いて評価します。

Q.元請工事が多いとX1も上がりますか?
元請完成工事高はZの評価にも関係します。X1とZでは評価する内容が異なるため、分けて考える必要があります。

Q.完成工事高を別の業種に加算できますか?
一定の要件を満たす場合には、業種間積み上げを利用できることがあります。ただし、自由に業種を変更できる制度ではありません。

Q.完成工事高が増えれば、必ずP点が上がりますか?
必ずしもそうとは限りません。完成工事高はX1に関係しますが、P点は複数の評価項目を組み合わせて算出されます。

まとめ

経審における完成工事高は、会社全体の売上高をそのまま評価するものではありません。

確認しておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 完成工事高はX1の評価に関係する
  • X1では年間平均完成工事高を用いる
  • 工事内容と業種区分に基づいて整理する
  • 元請完成工事高はZの評価にも関係する
  • 業種間積み上げには一定の要件がある

完成工事高を適切に整理するには、金額だけでなく、工事内容や業種区分、元請・下請の区分なども確認する必要があります。

自社の完成工事高が経審上どのように評価されるのか、業種間積み上げを利用できるのかなど、個別の状況に応じて確認しておきましょう。

経審の完成工事高について確認したい建設業者の方へ

「自社の完成工事高をどの業種で整理すればよいのか分からない」
「業種間積み上げを利用できるか確認したい」
「完成工事高や元請完成工事高が、経審上どのように評価されるのか知りたい」
このようなお悩みがある場合は、工事内容や建設業許可、現在の経審結果などを確認することが大切です。

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