経営事項審査(経審)の結果通知書には、「P点」と呼ばれる総合評定値が記載されています。
「P点は何を表しているのか」「X1・X2・Y・Z・Wは何が違うのか」「P点が高ければ公共工事の入札に有利なのか」と疑問に思う建設業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
P点は、完成工事高や財務内容、経営状況、技術力、社会性等を所定の基準で評価し、算出される数値です。
この記事では、P点の基本的な仕組みと算出方法、結果通知書の見方を解説します。
経審のP点とは?
P点とは、経営事項審査における総合評定値のことです。
経審では、建設業者の経営規模、経営状況、技術力、社会性等を評価します。それぞれの評価結果を所定の算式で合算したものが、P点です。
P点は、公共工事の入札参加資格審査などにおいて、建設業者を評価するための指標として用いられます。
ただし、P点だけで入札参加資格や格付けが決まるわけではありません。実際の取扱いは、発注者ごとの資格審査制度や工事の条件などによって異なります。
P点の算出方法
P点は、X1・X2・Y・Z・Wという5つの評価項目を、所定の割合で合算して算出します。
2026年7月1日以降の申請に適用される制度では、算式は次のとおりです。
P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W
各評価項目の主な内容と、P点への割合を整理すると、次のようになります。
| 評価項目 | 主な評価内容 | P点への割合 |
| X1 | 許可業種別の完成工事高 | 25% |
| X2 | 自己資本額・利益額 | 15% |
| Y | 経営状況 | 20% |
| Z | 技術職員数・元請完成工事高 | 25% |
| W | その他の審査項目(社会性等) | 15% |
このように、P点は一つの項目だけで決まるものではありません。
完成工事高や技術力だけでなく、財務内容や経営状況、社会性等も評価されます。
なお、各項目の評点は、それぞれ定められた基準に基づいて算出されます。完成工事高や利益額などの数値を単純に合算すればP点が分かるわけではありません。
X1・X2・Y・Z・Wは何が違う?
5つの評価項目は、それぞれ評価する内容が異なります。
| 項目 | 主な評価内容 |
| X1 | 許可業種別の完成工事高 |
| X2 | 自己資本額・利益額 |
| Y | 財務指標から見た経営状況 |
| Z | 技術職員数・元請完成工事高 |
| W | 社会性等に関する取組や法令遵守など |
例えば、会社全体の売上高が多ければ必ずX1の評点が高くなる、技術職員が多ければ必ずZの評点が高くなる、というものではありません。
各項目には、それぞれ所定の評価基準があります。自社の状況に応じて、どの項目がどのように評価されているかを確認することが大切です。
各項目の具体的な評価内容については、こちらの記事で解説しています。
P点が高ければ公共工事を受注できる?
P点は、公共工事の入札参加資格審査などで用いられる重要な指標です。
ただし、P点が高ければ、必ず希望する工事を受注できるというものではありません。
公共工事の入札参加資格や格付けは、発注者ごとの制度に基づいて審査されます。発注者によっては、経審の結果に加えて、独自の評価項目や等級区分などを設けている場合もあります。
そのため、公共工事への入札を検討する際は、P点だけで判断せず、希望する発注者の入札参加資格や工事ごとの条件も確認することが大切です。
具体的な資格要件や評価方法については、各発注者の最新の案内をご確認ください。
経審の結果通知書では何を確認する?
経審の結果通知書を受け取ったら、P点だけでなく、X1・X2・Y・Z・Wの各評点も確認しておきましょう。
例えば、前回よりP点が下がった場合でも、総合評定値だけを見ていては、どの項目が影響したのか分からないことがあります。
各評点を前回の結果と比較すると、工事実績、財務内容、経営状況、技術力、社会性等のうち、どの部分に変化があったのかを把握しやすくなります。
ただし、制度改正などによって評価方法が変わる場合もあるため、単純な点数の比較だけでは判断できないことがあります。
前回と今回の結果を比較する際は、会社の実績や財務内容の変化だけでなく、適用される制度にも注意しましょう。
P点を確認するときの注意点
P点は、経審の結果を把握するうえで重要な数値ですが、点数だけを見て会社の状況を判断することはできません。
例えば、P点が下がった場合でも、その原因は会社の工事実績や財務内容の変化、各評価項目の変動など、さまざまな可能性があります。
また、評価項目によっては、申請直前の準備だけで評点が変わるとは限りません。審査基準日までの状況や、各項目に定められた要件が関係する場合もあります。
次回の経審に向けて確認したい場合は、まず現在の結果通知書を確認し、どの項目に変化があったのかを整理するとよいでしょう。
まとめ
経審のP点は、X1・X2・Y・Z・Wという5つの評価項目をもとに算出される総合評定値です。
2026年7月1日以降の申請に適用される算式は、次のとおりです。
P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W
P点を確認するときは、総合評定値だけでなく、各評価項目もあわせて確認することが大切です。
また、公共工事の入札参加資格や格付けは、発注者ごとの制度によって異なります。入札を検討する場合は、希望する発注者の最新の案内も確認しましょう。
制度改正の内容については、国土交通省の経営事項審査の主な改正事項もご確認ください。
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参照した公式資料
- 国土交通省:経営事項審査の主な改正事項(令和8年2月6日公布)
- 大阪府:経営事項審査の申請・証明等
- 奈良県:経営規模等評価審査申請の手引き(令和8年7月版)
