経営事項審査(経審)を初めて受ける建設業者の方にとって、
「どこに申請するの?」
「経営状況分析と経審は別なの?」
「申請してから結果が出るまで、何をすればいい?」
という点は分かりにくいところです。
経審は、一つの申請だけで完了する手続きではありません。
大きく分けると、
①経営状況分析(Y)
↓
②経営状況分析結果通知書
↓
③経営規模等評価(X・Z・W)+総合評定値(P)の請求
↓
④結果通知書の受領
という流れで進みます。
この記事では、経審の申請から結果通知までの大まかな流れを、初めて受ける建設業者の方向けに整理します。
個別の必要書類や申請時期については、それぞれ別の記事で詳しく解説しています。
経審の申請は大きく4段階
まず、全体像を確認しましょう。
決算終了
↓
決算変更届
↓
経営状況分析(Y)
↓
経営状況分析結果通知書
↓
経営規模等評価(X・Z・W)+総合評定値(P)請求
↓
経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書
↓
入札参加資格申請
という流れが基本になります。
なお、経営状況分析(Y)は登録経営状況分析機関が行い、経営規模等評価(X・Z・W)は許可行政庁が行います。
総合評定値(P)は、これらの結果をもとに許可行政庁へ請求します。
STEP1 決算変更届を提出する
経審を受ける前に、まず建設業の事業年度終了に伴う変更届、いわゆる「決算変更届」を準備します。
決算変更届では、
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 財務諸表
- その他の必要書類
などを、建設業許可に関するルールに従って提出します。
経審では、決算内容や工事実績などをもとに審査が行われるため、決算変更届はその後の手続きの土台になります。
決算変更届について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
「経審の必要書類は?準備しておきたい資料」
なお、決算変更届と経審の申請時期との関係については、次の記事で詳しく解説しています。
「経審はいつ受ける?申請時期と決算変更届との関係」
STEP2 経営状況分析(Y)を申請する
次に、登録経営状況分析機関へ「経営状況分析」を申請します。
経営状況分析では、会社の財務内容などをもとにY(経営状況)が評価されます。
ここで重要なのは、
経営状況分析は、経審を申請する許可行政庁とは別に、登録経営状況分析機関へ申請する
という点です。
国土交通省に登録された「登録経営状況分析機関」が経営状況の分析を行います。
申請後、審査を経て「経営状況分析結果通知書」が交付されます。
STEP3 経営規模等評価を申請する
経営状況分析結果通知書を受け取ったら、次に許可行政庁へ「経営規模等評価」を申請します。
ここでは、
- X1・X2
- Z
- W
などが評価されます。
経営規模等評価は、経営状況分析(Y)とは別の手続きです。
そのため、
Y=経営状況分析
X・Z・W=経営規模等評価
と整理すると分かりやすいでしょう。
X・Y・Z・Wの意味について詳しく知りたい方は、
「経審のX1・X2・Y・Z・Wとは?評価項目をわかりやすく解説」
をご覧ください。
STEP4 総合評定値(P)を請求する
経審では、X・Y・Z・Wの評価だけでなく、これらをもとに算出される総合評定値(P)が重要になります。
経営規模等評価の申請と、総合評定値(P)の請求は、同時に行うことができます。国土交通省の手引きでも、同一の様式で同時に申請・請求できる取扱いが案内されています。
そのため、実務上は、
経営規模等評価(X・Z・W)
+
総合評定値(P)の請求
をまとめて行うケースが一般的です。
P点について詳しく知りたい方は、
「経審のP点とは?総合評定値の見方」
をご覧ください。
STEP5 結果通知書を受け取る
審査が終わると、経営規模等評価の結果と総合評定値(P)が通知されます。
一般に、ここで受け取る「総合評定値通知書」が、公共工事の入札参加資格申請などで使用する重要な書類になります。
ただし、結果が出るまでの期間は、申請先や申請方法、書類の状況などによって異なります。
例えば奈良県の知事許可業者向け手引きでは、申請受付後の結果通知について「おおむね1か月」と案内されていますが、不足書類がある場合には通知できない場合があるとされています。
そのため、
「申請すれば必ず○日で結果が出る」
と考えるのではなく、入札参加資格申請などの予定から逆算して、余裕を持って準備することが重要です。
経審の結果が出たら終わりではない
経審の結果通知書を受け取っただけでは、すべての自治体の公共工事に入札できるわけではありません。
公共工事の入札に参加するには、発注者ごとの入札参加資格申請などが必要になる場合があります。
国土交通省も、経審の結果をもとに競争参加資格申請を行い、発注者が入札参加資格を審査する流れを示しています。
そのため、実際には、
経審
↓
結果通知
↓
入札参加資格申請
↓
発注者ごとの入札参加資格を取得
↓
入札参加
というところまで見据えてスケジュールを組む必要があります。
申請が遅れるとどうなる?
経審には、審査基準日から結果通知までの手続きだけでなく、その後の入札参加資格申請まで含めたスケジュール管理が必要です。
特に、
- 決算変更届がまだ終わっていない
- 経営状況分析をこれから申請する
- 経審の予約・受付時期を確認していない
- 結果通知を待ってから入札参加資格申請を考えている
という状態では、希望する入札参加資格の受付期間に間に合わない可能性があります。
「いつ経審を受ければよいのか分からない」という場合は、こちらの記事もご覧ください。
「経審はいつ受ける?申請時期と決算変更届との関係」
補正や追加資料を求められることもある
経審の申請では、提出した書類について内容の確認や補正、追加資料の提出を求められる場合があります。
国土交通省の近畿地方整備局の手引きでも、審査時に完成工事や技術職員などについて確認を行い、追加書類の提出や疑義内容の確認を求める場合があると案内されています。
そのため、
「書類を提出すれば、そのまま結果が出る」
とは限りません。
申請前の段階で、決算書、工事関係資料、技術職員に関する資料などを確認し、必要な資料を準備しておくことが大切です。
必要書類について詳しくは、
「経審の必要書類は?準備しておきたい資料」
をご覧ください。
経審の申請から結果通知までを整理すると
ここまでの流れを簡単に整理すると、次のようになります。
| 段階 | 主な手続き | 主なポイント |
| 1 | 決算変更届 | 経審の土台となる決算・工事実績を整理 |
| 2 | 経営状況分析 | 登録経営状況分析機関へYを申請 |
| 3 | 経営規模等評価 | 許可行政庁へX・Z・Wを申請 |
| 4 | 総合評定値請求 | P点を請求 |
| 5 | 結果通知 | 経営規模等評価・総合評定値の結果を受領 |
| 6 | 入札参加資格申請 | 発注者ごとの手続きへ |
ポイントは、
「経営状況分析」と「経営規模等評価」は別の手続き
であることです。
そして、最終的には経審の結果を入札参加資格申請につなげる必要があります。
初めて経審を受ける会社が確認したいこと
初めて経審を受ける場合は、まず次の点を確認しておきましょう。
- 建設業許可の状況
- 決算変更届の提出状況
- 経営状況分析を申請する時期
- 経営規模等評価の申請時期
- 総合評定値(P)の請求
- 入札参加資格申請の受付時期
- 必要書類の準備状況
特に、経審だけでなく、その後の入札参加資格申請まで逆算することが大切です。
まとめ
経審の申請から結果通知までの基本的な流れは、
決算変更届
↓
経営状況分析(Y)
↓
経営状況分析結果通知書
↓
経営規模等評価(X・Z・W)+総合評定値(P)請求
↓
結果通知書
↓
入札参加資格申請
となります。
経審は、単に申請書を提出して終わる手続きではありません。
決算内容や工事実績、技術職員などの資料を準備し、経営状況分析、経営規模等評価、総合評定値請求と順番に進める必要があります。
また、公共工事への入札を予定している場合は、経審の結果通知後に行う入札参加資格申請まで含めてスケジュールを考えることが重要です。
「自社の場合、いつから準備すればよいのか分からない」
「経審から入札参加資格申請までまとめて確認したい」
という場合は、現在の許可や決算状況、入札予定などを確認したうえで、事前にご相談ください。
経営事項審査(経審)のサポートについてはこちら
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