事業承継では、会社や事業を誰に引き継ぐかだけでなく、現在の事業に必要な許可、免許、登録などの許認可をどうするのかも確認しておく必要があります。
会社や事業を引き継ぐからといって、現在の許認可をそのまま利用できるとは限りません。
許認可によって、承継できる場合や必要な手続、確認すべき要件が異なるためです。
特に、
- 事業譲渡を予定している
- 後継者への事業承継を考えている
- 親族に事業を引き継ぎたい
- M&Aを検討している
- 複数の許認可を取得している
といった場合には、事業承継の準備とあわせて、現在の許認可を整理しておくことが大切です。
まずは現在の許認可を整理する
事業承継を検討するときは、現在どのような許認可を取得しているのかを整理してみましょう。
確認したいのは、許可証や登録証があるかどうかだけではありません。
例えば、次のような事項です。
- 許認可の名称
- 許認可を受けている事業者
- 許可番号、登録番号
- 有効期間や更新時期
- 対象となっている事業
- 営業所、店舗、施設の所在地
- 許認可を維持するために必要な資格者、責任者
- 承継後に変更する予定の事項
複数の許認可を取得している場合は、一覧表などにまとめておくと、事業承継に伴って確認すべき事項を整理しやすくなります。
許認可はそのまま引き継げるとは限らない
事業承継に伴う許認可の取扱いは、許認可ごとに異なります。
一定の承継制度が設けられている許認可もあれば、承継の方法や事業者の変更内容によって、変更手続や新たな許認可の取得が必要となる場合もあります。
例えば、建設業では、一定の要件のもとで事業譲渡、合併、会社分割などによる建設業者としての地位の承継について、事前の認可を受ける制度があります。
また、食品衛生法に基づく営業許可についても、営業の譲渡、相続、合併、分割などの場合に、許可営業者の地位を承継する制度が設けられています。
このように、法律上の承継制度が設けられている許認可もあります。
一方で、すべての許認可が同じ仕組みになっているわけではありません。
そのため、
「会社や事業を引き継ぐから、今の許可もそのまま使える」
と判断せず、取得している許認可ごとに確認することが重要です。
事業承継の方法によって確認事項が変わる
事業承継には、株式譲渡、事業譲渡、相続、合併、会社分割など、さまざまな方法があります。
どの方法を選択するかによって、許認可について確認すべき事項が変わる場合があります。
特に事業譲渡では、事業を行う主体が変わるため、現在の事業者が取得している許認可について、
- 承継できるのか
- 承継のための手続が必要なのか
- 事前の認可、承認等が必要なのか
- 承継後の届出が必要なのか
- 新たに許認可を取得する必要があるのか
などを確認する必要があります。
事業承継の契約や実施時期を決める前に、許認可の取扱いを確認しておくことが重要です。
株式譲渡でも許認可を確認する
株式譲渡では、会社自体が変わらない形で事業を引き継ぐ場合があります。
ただし、株式譲渡だからといって、許認可について確認が不要になるとは限りません。
例えば、
- 代表者が変わる
- 役員が変わる
- 営業所を移転する
- 必要な資格者、責任者が変わる
- 事業内容を変更する
といった場合には、許認可ごとに変更等の手続や要件の確認が必要となることがあります。
そのため、株式譲渡を予定している場合も、現在の許認可と承継後の変更内容を照らし合わせて確認することが大切です。
許認可に必要な人も確認する
許認可の中には、一定の資格や経験を持つ人の配置などが要件となっているものがあります。
事業承継では、会社や事業だけでなく、こうした人的要件についても確認が必要です。
例えば、
- 必要な資格者を確保できるか
- 必要な経験を満たす人がいるか
- 必要な責任者を確保できるか
- 現在の資格者、責任者が承継後も勤務するか
- 後継者や承継先に必要な要件があるか
などを確認します。
現在の許認可を支えている資格者や責任者が、事業承継を機に退職する予定であれば、特に注意が必要です。
会社や事業そのものを引き継ぐことができても、許認可に必要な要件を満たせなくなる可能性があるためです。
営業所、店舗、設備の変更も確認する
事業承継に伴って、営業所や店舗、施設、設備などを変更する場合もあります。
例えば、
- 営業所を移転する
- 店舗を変更する
- 事業所を新設する
- 施設や設備を変更する
- 事業内容を変更する
といったケースです。
許認可によっては、営業所、施設、設備などについて一定の要件が定められている場合があります。
そのため、承継後の事業形態に変更がある場合は、許認可への影響も確認しておきましょう。
手続の時期にも注意する
許認可に関する手続は、いつ行う必要があるのかも重要です。
許認可によっては、事業承継の前に認可等を受ける必要がある場合があります。
一方で、承継後に届出を行う制度もあります。
このように、必要な手続とその時期は許認可によって異なります。
そのため、事業承継の日程が決まってから確認するのではなく、承継方法や時期を検討する段階から許認可を確認しておくことが大切です。
事業承継前に確認したいこと
事業承継を予定している場合は、まず次のような事項を整理してみましょう。
現在の許認可
- どのような許可、免許、登録を取得しているか
- 誰が許認可を受けているか
- 有効期間や更新時期はいつか
- どの営業所、店舗、施設が対象となっているか
- 必要な資格者、責任者は誰か
事業承継の方法
- 株式譲渡なのか
- 事業譲渡なのか
- 相続なのか
- 合併、会社分割なのか
承継後の変更
- 誰が事業を行うのか
- 代表者、役員が変わるのか
- 営業所、店舗が変わるのか
- 事業内容が変わるのか
- 必要な資格者、責任者を確保できるのか
許認可の手続
- 承継の手続が必要なのか
- 変更手続が必要なのか
- 届出が必要なのか
- 新たな許認可の取得が必要なのか
- いつまでに手続を行う必要があるのか
すべての許認可について同じ手続をするわけではありません。
まず現在の許認可を一覧にして、承継方法や承継後の変更内容と照らし合わせて確認することが重要です。
事業承継と許認可を一緒に確認する
事業承継では、
「誰に事業を引き継ぐのか」
だけでなく、
「承継後も現在の事業を続けるために、許認可について何をする必要があるのか」
まで確認することが大切です。
特に、
- 事業譲渡を予定している
- 後継者が決まった
- M&Aを検討している
- 親族に事業を引き継ぎたい
- 複数の許認可を取得している
といった場合には、事業承継の準備とあわせて現在の許認可を整理しておくとよいでしょう。
事業承継に伴う許認可についてご相談ください
弊所では、事業承継を検討されている事業者様について、現在取得している許認可を整理し、承継にあたって確認が必要となる事項を整理します。
例えば、
- 現在の許認可について確認したい
- 事業譲渡を予定している
- 親族に事業を引き継ぎたい
- M&Aにあたり許認可を確認したい
- 複数の許認可があり、何から確認すればよいか分からない
- 承継後に必要となる変更手続を確認したい
- 許認可に必要な資格者、責任者について確認したい
といったご相談に対応しています。
事業承継の方法がまだ決まっていない段階でも、現在の事業内容と取得している許認可を整理するところからご相談ください。
📞:080-3771-6057(ご相談様専用)
関連ページ
※本記事は、事業承継に伴う許認可について一般的な情報を整理したものです。許認可の承継方法や必要な手続は、許認可の種類、事業承継の方法、事業者の形態、事業内容などによって異なります。具体的な手続については、関係法令および申請先行政庁の最新の案内をご確認ください。

