「宅地建物取引業免許」と「宅地建物取引士の登録」は、名前は似ていますが「事業主(会社)に与えられるもの」か「個人に与えられるもの」かという根本的な違いがあります。
「宅建業免許」と「宅建士登録」の違い
不動産業を始めるにあたって、多くの方が混同されやすいのが「免許」と「登録」の違いです。
スムーズな開業のためには、両者の役割を正しく理解しておく必要があります。
一言でいうと、「宅建業免許は会社(組織)のため、宅建士登録は個人(専門家)のため」のものです。
1. 宅建業免許(組織に対する許可)
宅地建物取引業(不動産業)を「ビジネス」として行うために必要な許可です。
- 対象: 法人または個人事業主
- 役割: 会社が不動産売買や仲介を商売として行うための「営業許可」
- 有効期限: 5年間(更新手続きが必要です)
- ポイント: 事務所ごとに「専任の宅建士」を一定数(従業員の5人に1人以上)設置しなければ、この免許は受けられません。
2. 宅建士登録(個人に対する資格)
宅建試験に合格した人が、不動産取引の「専門家」として活動するために必要な登録です。
- 対象: 試験合格者個人
- 役割: 重要事項の説明など、宅建士にしかできない「独占業務」を行うための資格
- 有効期限:業務を行うための「宅建士証」は5年更新です
- ポイント: 免許を持っている会社に雇用され、「専任の宅建士」として登録されることで、初めて会社は営業が可能になります。
3. 比較まとめ表
| 項目 | 宅建業免許 | 宅建士登録 |
| 主語 | 会社・事業主 | 個人(有資格者) |
| 性質 | 営業するための「許可証」 | 専門家としての「身分証」 |
| 必要な時 | 不動産業を開業する時 | 宅建士として仕事をする時 |
| 審査対象 | 人的要件、物的要件、金銭的要件、欠格事由等 | 試験合格、実務経験、欠格事由等 |
弊所ができること
宅建業の開業には、この「個人の登録」と「会社の免許」の両方を整合性を持たせて申請する必要があります。
「専任の宅建士の要件を満たしているか?」「事務所の形態は適切か?」など、事前の確認が非常に重要です。
当事務所では、単なる書類作成にとどまらず、スムーズな免許取得と、その後の安定した経営を見据えたサポートを提供いたします。
宅建業免許・登録に関するよくある質問(FAQ)
不動産業の開業にあたって、多く寄せられるご質問をまとめました。
Q1. これから宅建業を始めたいのですが、まずは何をすればいいですか?
A. まずは「専任の宅建士」の確保と「事務所」の選定が必要です。
会社(または個人事業主)として免許を受けるには、事務所ごとに「専任の宅建士(宅建士登録を済ませ、宅建士証を持っている人)」を設置することが法律で義務付けられています。
まずは、この人的要件と、独立した事務所スペースを確保できるかどうかがスタートラインとなります。
Q2. 宅建試験に合格しましたが、すぐに「専任の宅建士」になれますか?
A. 試験合格だけではなれません。
試験合格後、以下のステップが必要です。
- 実務登録: 実務経験が2年以上あるか、登録実務講習を修了すること。
- 宅建士証の交付: 各都道府県知事に対して交付申請を行うこと。
この「宅建士証」が手元にある状態で初めて、会社の免許申請において「専任の宅建士」として認められます。
Q3. 自宅を事務所にして宅建業の免許は取れますか?
A. 原則として、居住スペースと明確に区分けされている必要があります。
生活の場と事務所が混在している状態では、免許が下りない可能性が高いです。
「入り口が別である」「壁で仕切られている」など、都道府県ごとに細かい審査基準があります。
Q4. 宅建士が退職してしまった場合、免許はどうなりますか?
A. 2週間以内に補充し、変更届を出す必要があります。
「5人に1人以上」という法定人数を欠いたまま営業を続けることはできません。
万が一の退職に備えて、複数の有資格者を確保しておくことが経営上のリスク管理として重要です。

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