建設業許可とは?|必要なケース・29業種・一般/特定・知事/大臣を解説

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「500万円って何?」「29業種って?」「一般と特定はどう違う?」
建設業許可について調べ始めると、似たような数字や専門用語が多く、「結局、自分にはどの許可が必要なのか分からない」という方も少なくありません。
この記事では、建設業許可を初めて調べる方に向けて、まず確認したいポイントを順番に整理します。

まず結論|建設業許可が必要か、3分で整理

建設工事の完成を請け負う営業を行う場合、原則として建設業許可が必要です。
ただし、法律上の「軽微な建設工事」のみを請け負う場合には、原則として許可は必要ありません。
まずは、次の3点を確認してください。

  • どのような工事を請け負うのか
  • 1件あたりの請負代金はいくらなのか
  • 建設業の営業所をどこに置くのか

さらに、発注者から直接工事を請け負い、一定額以上の工事を下請に発注する場合には、一般建設業と特定建設業の区分も確認する必要があります。


建設業許可とは?

建設業許可とは、建設工事の完成を請け負う営業を行うために、原則として必要となる許可です。
公共工事だけが対象というわけではありません。
民間工事であっても、元請工事であっても、下請工事であっても、建設工事の完成を請け負う営業については、原則として建設業許可が必要です。
ただし、法律上の「軽微な建設工事」のみを請け負う場合には、許可が不要となる例外があります。
つまり、建設工事を請け負う営業を行う

原則として建設業許可が必要

ただし「軽微な建設工事」のみなら原則として許可不要
という関係です。

建設業許可はいつ必要?

軽微な建設工事とは?
建設業許可が必要かどうかを判断する際には、まず「軽微な建設工事」に該当するかを確認します。

建築一式工事
次のいずれかに該当する工事は、軽微な建設工事とされています。

  • 1件の請負代金が1,500万円未満
  • 請負代金にかかわらず、延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

建築一式工事以外

  • 1件の請負代金が500万円未満

なお、上記の金額には消費税・地方消費税が含まれます。
そのため、「500万円」という数字を見るときには、
「500万円以上なら許可が必要」
と単純に覚えるのではなく、
「500万円未満の軽微な建設工事だけを請け負う場合は、原則として許可が不要」
と理解するほうが分かりやすいでしょう。

500万円の判定には注意
工事を複数の契約に分けている場合や、注文者から材料の提供を受ける場合などには、請負代金の判定について別のルールがあります。
そのため、「契約書が500万円未満だから大丈夫」とだけ考えるのは注意が必要です。
具体的な金額判定については、別記事で詳しく解説しています。

→ 「建設業許可の500万円要件」の詳しい解説


注意:「500万円」は2つの場面で登場します
建設業許可について調べると、「500万円」という数字が何度も出てきます。
しかし、意味は同じではありません。
軽微な建設工事の「500万円」
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満の工事は、原則として「軽微な建設工事」とされ、許可が不要となる基準の一つです。
許可要件の「500万円」
一般建設業の許可では、財産的基礎等について「自己資本500万円以上」または「500万円以上の資金調達能力」などの基準があります。
「500万円の工事」と「500万円の財産的基礎」は別の話です。
「500万円の預金がないと建設業許可を取得できない」という意味ではありません。


建設業許可は29業種に分かれている

建設業許可は、すべての建設工事を一つの許可でまとめて扱う制度ではありません。
建設工事は、法律上29業種に分類されており、原則として、請け負おうとする工事の種類に応じて許可を取得する必要があります。

一式工事

  • 土木工事業
  • 建築工事業

専門工事

  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび・土工工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • タイル・れんが・ブロック工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上工事業
  • 機械器具設置工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 電気通信工事業
  • 造園工事業
  • さく井工事業
  • 建具工事業
  • 水道施設工事業
  • 消防施設工事業
  • 清掃施設工事業
  • 解体工事業

一式工事と専門工事の違い
ここは特に誤解されやすいところです。
建築一式工事の許可を取得したからといって、建築関係の専門工事をすべて単独で請け負えるわけではありません。
一式工事は、原則として元請の立場で、工事全体を総合的に企画・調整するような工事を対象とする業種です。
一方、大工工事、内装仕上工事、電気工事、管工事などを専門工事として単独で請け負う場合には、それぞれの工事に対応した許可が必要となることがあります。
「自社が請け負いたい工事が29業種のどれに該当するのか」は、建設業許可を取得する前に確認しておきたい重要なポイントです。

知事許可と大臣許可の違い

建設業許可には、

  • 都道府県知事許可
  • 国土交通大臣許可

があります。
ここで重要なのは、工事現場の場所ではなく、営業所の所在地によって区分されるということです。

知事許可

営業所を一つの都道府県の区域内だけに設けて営業する場合は、原則として都道府県知事の許可となります。

大臣許可

営業所を二つ以上の都道府県に設けて営業する場合は、国土交通大臣の許可が必要となります。

例えば、奈良県内だけに営業所を置いている会社が、大阪府や三重県の工事を請け負う場合でも、工事現場が県外にあるという理由だけで大臣許可になるわけではありません。
つまり、
「どこで工事をするか」ではなく「営業所をどこに置くか」
を基準に考えます。

一般建設業と特定建設業の違い

一般建設業と特定建設業の区分は、単純に「工事金額が大きい会社かどうか」で決まるものではありません。
ポイントは、
発注者から直接請け負った工事について、一定額以上の下請契約を締結するか
です。
現在の基準では、発注者から直接請け負った1件の工事について、

工事の種類下請契約の総額
建築工事業8,000万円以上
その他の工事5,000万円以上

となる場合、特定建設業の許可が必要となります。
この金額基準は、2025年2月1日から引き上げられています。
一方、
「大きな工事を元請として受注する=特定建設業が必要」
という意味ではありません。
発注者から直接請け負う工事の請負金額そのものについて、一般建設業だから○万円までという上限があるわけではありません。
例えば、大きな工事を元請として受注した場合でも、その工事について締結する下請契約の総額が基準額未満であれば、一般建設業の許可で対応できる場合があります。
なお、特定建設業の許可については、一般建設業よりも財産的基礎等の要件が重く設定されています。

建設業許可には「要件」と「証明」が必要

建設業許可を取得するには、法律上の許可要件を満たす必要があります。
主な確認事項としては、

  • 経営業務を適正に行うための体制
  • 営業所技術者等の設置
  • 財産的基礎等
  • 誠実性
  • 欠格要件
  • 社会保険等の加入状況

などがあります。
ただし、ここで注意したいのは、
「要件を満たしていること」と「そのことを確認できる資料があること」は別の問題
だという点です。
例えば、過去の経営経験や実務経験について確認する場合には、契約書、注文書、請求書、入金記録、登記事項証明書など、状況に応じた資料を確認することがあります。
また、資格や学歴、経験年数などによって確認すべき内容も異なります。
そのため、建設業許可を検討するときには、
① 要件を満たしているか
② その内容をどの資料で確認できるか
という2つの視点から整理することが大切です。

許可を取得した後にも手続きがあります

建設業許可は、取得したらすべての手続きが終わるわけではありません。
許可取得後も、状況に応じて、

  • 事業年度終了後の決算変更届
  • 会社・営業所・役員等に変更があった場合の変更届
  • 業種追加などの手続き
  • 5年ごとの許可更新

などが必要になります。
特に、決算変更届は毎事業年度終了後に提出する必要があります。
また、許可の有効期間は5年間です。
そのため、建設業許可は、
「取得する」だけでなく、「維持する」ことまで考えて管理する
ことが重要です。

建設業許可と経営事項審査(経審)の関係

公共工事への入札参加を考えている場合、建設業許可を取得しただけで、すぐに公共工事を受注できるというわけではありません。
公共工事を請け負うためには、発注者ごとの入札参加資格のほか、経営事項審査(経審)などが関係します。
大まかには、

建設業許可

決算・財務状況の管理

経営事項審査(経審)

入札参加資格

公共工事の入札・受注

という流れで考えると分かりやすいでしょう。
公共工事を目指す場合には、建設業許可の段階から、その後の経審まで見据えて準備することも大切です。

FAQ|建設業許可についてよくある質問

Q1.500万円未満なら、必ず建設業許可は不要ですか?

建築一式工事以外については、1件の請負代金が500万円未満の工事は、原則として軽微な建設工事に該当します。
ただし、契約の分割や注文者からの材料提供など、請負代金の判断について別のルールがあります。
また、建築一式工事には1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事という別の基準があります。


Q2.知事許可だと、他府県では工事できませんか?

いいえ。
知事許可・大臣許可の区分は、原則として営業所の所在地によって決まります。
知事許可だから、許可を受けた都道府県以外で工事ができないという意味ではありません。


Q3.建築一式工事の許可があれば、内装工事もできますか?

建築一式工事の許可があるからといって、専門工事をすべて単独で請け負えるわけではありません。
請け負う工事の内容に応じて、必要な許可業種を確認する必要があります。


Q4.一般建設業では、大きな工事を請け負えませんか?

いいえ。
発注者から直接請け負う工事の請負金額そのものに、一般建設業だからという上限があるわけではありません。
特定建設業が必要になるかどうかは、元請として請け負った工事について、一定額以上の下請契約を締結するかどうかがポイントになります。


Q5.建設業許可を取得したら、その後の手続きは不要ですか?

いいえ。
決算変更届、変更届、許可更新など、許可取得後にも手続きがあります。
許可を維持するためにも、必要な届出や更新時期を管理しておくことが重要です。


許可が必要なのか、まず整理してみませんか?

建設業許可を検討するときは、いきなり申請書を作り始めるよりも、まず現在の状況を整理することをおすすめします。
例えば、

  • どのような工事を請け負っているのか
  • これからどのような工事を受注したいのか
  • その工事は29業種のどれに該当するのか
  • 許可が必要となる規模なのか
  • 営業所はどこにあるのか
  • 一般建設業と特定建設業のどちらを検討するのか
  • 許可要件をどのような資料で確認できるのか

を順番に整理していきます。
弊所では、現在の状況や手元にある資料を確認し、建設業許可の取得に向けて、必要な確認事項と資料、手続きの順序を整理します。
「まだ許可を取得すると決めたわけではない」
「元請会社から建設業許可を求められた」
「今後、500万円以上の工事を受注できるようにしたい」
「過去の経営経験・実務経験をどのように確認すればよいか分からない」
といった段階でも、まず現在の状況を整理するところから始めることができます。
建設業許可は、個々の事業者によって確認すべき事項が異なります。
まず必要なことを整理し、手戻りを抑えながら着実に進めるための段取りを確認する。
それが、建設業許可を検討する最初の一歩です。

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