建設業、宅建業、古物商など、事業を始める際に許可・免許等が必要になる業種があります。
こうした事業を法人で始める場合、会社を設立してから許認可を考えるのではなく、会社設立前の段階から、予定している事業と許認可の要件を確認しておくことが大切です。
特に確認しておきたいのが、
- 会社の事業目的
- 資本金・財産的基礎
- 役員や人員の要件
- 本店・営業所などの場所
- 許認可取得までのスケジュール
です。
今回は、行政書士の立場から、会社設立前に確認しておきたいポイントを整理します。
会社を設立すれば、すぐに事業を始められるとは限りません
会社は設立登記によって成立します。
しかし、事業によっては、会社を設立しただけでは営業を開始できません。
例えば、建設業を営む場合、一定の軽微な工事を除き建設業許可が必要です。
また、宅地建物取引業を営む場合には、宅地建物取引業の免許が必要です。
そのため、
「会社を作ること」と「その事業を適法に始めること」は別の手続
と考えておく必要があります。
会社設立前に許認可の要件を確認しておけば、設立後の追加手続や計画変更を避けられる可能性があります。
会社設立前に確認したい5つのポイント
事業目的
まず確認したいのが、定款・登記上の「目的」です。
会社の目的については、現在、登記官が具体性だけを理由に審査する仕組みではありません。
一方で、目的の記載が抽象的な場合、許認可や取引などで支障が生じる可能性があります。法務省も、許認可が必要な事業については、目的の記載が許認可の審査に関係する場合があると案内しています。
そのため、許認可が必要な事業を予定している場合には、
「登記できるか」だけでなく、「予定している許認可との関係で問題がないか」
という視点で目的を検討することが重要です。
現在予定している事業だけでなく、近い将来に行う可能性のある事業についても、必要性を考えながら整理します。
資本金・財産的基礎
「許認可が必要だから、資本金は必ず○○万円必要」と単純に考えることはできません。
例えば一般建設業許可では、財産的基礎について、自己資本の額が500万円以上であること、または500万円以上の資金を調達する能力があることなど、法律上定められた要件のいずれかを満たす必要があります。
したがって、
資本金の額だけで許可要件を判断するのではなく、許可申請時点でどの要件をどのように満たすのか
を確認することが大切です。
また、許認可の要件だけでなく、会社設立後の運転資金も考慮する必要があります。
役員・人員の要件
許認可によっては、役員や従業者について一定の要件があります。
例えば建設業許可では、経営業務の管理を適正に行うための体制や、営業所ごとの技術者に関する要件などを確認する必要があります。
宅建業でも、事務所ごとに一定数の専任の宅地建物取引士を置く必要があります。
そのため、会社設立時の役員構成や採用予定者などについて、許認可の要件と照らし合わせて確認しておくことが重要です。
本店・営業所の場所
会社の本店所在地についても、設立前に確認しておきたいポイントです。
特に許認可が必要な事業では、単に「登記できる住所」であればよいとは限りません。
例えば、宅建業では事務所の使用権原や、専任の宅地建物取引士の配置などについて確認が必要になります。
賃貸物件を利用する場合には、契約内容や使用形態についても事前に確認しておくと安心です。
許認可取得までのスケジュール
会社設立と許認可申請は、別々に考えるのではなく、全体のスケジュールとして整理することをおすすめします。
例えば、
事業内容の整理
↓
許認可の要件確認
↓
会社の基本事項を検討
↓
定款・事業目的等の準備
↓
会社設立手続
↓
許認可申請の準備
↓
許認可取得後に営業開始
という流れです。
実際の手続や順序は、事業内容や許認可の種類によって異なります。
そのため、「会社を作ってから考える」のではなく、最初に許認可の要件を確認してから会社設立の準備を進めるという考え方が重要です。
会社設立前に、こんな相談ができます
弊所では、会社設立そのものの登記手続を行うのではなく、行政書士として、許認可を見据えた事業開始前の整理・確認をサポートしています。
例えば、
- 建設業を始める予定だが、会社設立前に何を確認すればよいか
- 宅建業を始める場合、本店や人員について何を準備すればよいか
- 定款の事業目的について、許認可との関係を確認したい
- 設立する会社の役員構成について、許認可上の問題がないか確認したい
- 会社設立から許認可申請までの流れを整理したい
といったご相談です。
許認可の種類によって必要な要件は異なりますので、まずは予定している事業内容をお聞かせください。
会社設立の登記は司法書士、許認可は行政書士へ
会社設立には、定款の作成・認証、設立登記など複数の手続があります。
株式会社の設立では、設立時の定款について公証人による認証が必要です。
一方、会社は本店所在地における設立登記によって成立します。
弊所では、行政書士の業務範囲を踏まえ、会社の設立登記そのものは司法書士へおつなぎし、弊所は許認可に関する確認・申請等を担当するという形で連携しています。
会社設立から許認可までを一つの流れとして整理することで、事業者様が手続の順序を確認しやすくなるようサポートします。
許認可が必要な事業なら、設立前の確認から
会社を設立すること自体が目的ではなく、その会社でどのような事業を始めるのかが重要です。
特に建設業や宅建業など、許認可が関係する事業では、会社設立前に要件を確認しておくことで、設立後の計画変更や追加手続を検討しなければならなくなるケースを減らせる可能性があります。
「会社を作りたい」という段階でも構いません。
何の事業を始めたいのか、どのような許認可が関係するのか。
まずは現在お考えの事業内容をお聞かせください。
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※許認可の要件や行政庁の運用は、制度改正等により変更される場合があります。個別の申請については、最新の法令・公的資料等を確認したうえで判断します。

