古物商許可の欠格事由とは?取得できないケースを解説

古物商ブログ

古物商許可を取得したいと思っても、
「自分は許可を取れるのだろうか?」
「以前、罰金を受けたことがあるけれど大丈夫?」
「破産したことがある場合は?」
と不安になる方もいらっしゃいます。
古物営業法では、一定の事由に該当する場合、古物商の許可を受けることができないと定められています。
これを「欠格事由」といいます。
この記事では、古物営業法に定められている古物商許可の欠格事由について、できるだけ分かりやすく解説します。

古物商許可には「欠格事由」があります

古物営業法では、公安委員会は、許可を受けようとする者が一定の事由に該当する場合には、古物商の許可をしてはならないと定めています。
つまり、古物営業を始めたいという意思があっても、法律上の欠格事由に該当する場合には許可を受けることができません。
そのため、古物商許可の申請準備を始める前に、自分や法人の役員が欠格事由に該当しないか確認しておくことが大切です。

主な欠格事由

古物営業法第4条では、次のような場合が欠格事由として定められています。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

破産手続開始の決定を受けた後、復権を得ていない場合は、古物商の許可を受けることができません。
一方で、過去に破産したことがあるというだけで、現在も必ず許可を受けられないという意味ではありません。
「破産したことがある」という事情だけで判断するのではなく、現在、復権を得ているかどうかを確認する必要があります。

一定の刑に処せられ、5年を経過していない者

古物営業法では、一定の犯罪について刑に処せられた場合、刑の執行を終わった日などから5年を経過していないことが欠格事由とされています。
対象となるのは、すべての犯罪やすべての罰金刑ではありません。
古物営業法第4条では、拘禁刑以上の刑に処せられた場合のほか、古物営業法第31条に規定する罪や、一定の刑法上の犯罪について罰金の刑に処せられた場合などが定められています。
そのため、
「罰金を受けたことがあるから古物商許可は取れない」
と一律に考えるのは適切ではありません。
どの犯罪について、どのような刑を受けたのか、そして刑の執行を終わった日などからどの程度の期間が経過しているのかを確認する必要があります。

暴力的不法行為などを行うおそれがある者

集団的に、または常習的に、暴力的不法行為その他の違法な行為を行うおそれがあると認められる相当な理由がある場合も、欠格事由となります。
これは単に過去の刑罰だけを見るものではありません。
法律では、一定の違法な行為を行うおそれについても許可基準の一つとして定めています。

一定の暴力団関係の命令・指示を受けた者

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に基づく一定の命令や指示を受け、その日から3年を経過していない場合も欠格事由となります。
古物営業法では、古物営業について適正な営業を確保するため、こうした事項についても許可基準として定めています。

住居の定まらない者

住居の定まらない者も、古物営業法上の欠格事由に含まれます。
古物商許可では、営業の拠点や営業所などについて確認することになります。
そのため、申請者の住所や営業所についても、申請前に整理しておくことが大切です。

古物営業の許可を取り消されてから5年を経過していない者

過去に古物営業の許可を取り消された場合、その取消しの日から5年を経過していない者については、原則として欠格事由に該当します。
また、許可を取り消された者が法人の場合には、その取消しに関係する一定の期間にその法人の役員であった者についても、法律上の制限があります。
過去に古物商許可の取消しを受けたことがある場合は、個別に確認することが重要です。

許可取消しに関する手続中に許可証を返納した者

古物営業の許可取消しに関する聴聞の手続が行われている期間に、一定の理由なく許可証を返納した場合も、返納の日から5年を経過していないことが欠格事由となる場合があります。
これは通常の廃業とは異なる制度です。
過去に古物営業を廃止した経験があるからといって、直ちにこの欠格事由に該当するわけではありません。

心身の故障により業務を適正に実施できない者

古物営業法では、心身の故障により古物商の業務を適正に実施することができない者として、国家公安委員会規則で定める者も欠格事由とされています。
古物営業法施行規則では、精神機能の障害により、業務を適正に実施するために必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者と定めています。
この点については、病名だけで一律に判断するものではありません。
実際の判断については、法令上の要件に照らして確認する必要があります。

営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者

営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者も、欠格事由となります。
ただし、古物商等の相続人である場合で、法定代理人が一定の欠格事由に該当しないときなど、法律上の例外があります。
そのため、
「未成年者は全員、古物商許可を取れない」
と単純に考えることも適切ではありません。

管理者を選任できると認められない場合

古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。
そのため、営業所ごとに管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある場合も、許可を受けることができません。
これは、古物営業を適正に行うために、営業所ごとの管理体制を確保するための規定です。

管理者については、次の記事で詳しく解説しています。
[古物商許可の管理者とは?代表者との違いや選任時の注意点を解説]

法人の役員が欠格事由に該当する場合

法人の場合には、会社そのものだけを確認すればよいわけではありません。
古物営業法では、法人の役員のうち、一定の欠格事由に該当する者がいる場合も許可を受けることができないとされています。
そのため、法人で古物商許可を申請する場合は、

  • 代表者
  • 役員
  • 管理者

などについて、それぞれ確認することが重要です。
法人の役員が複数いる場合は、特に注意が必要です。

「前科があると古物商許可は取れない」は正確ではありません

古物商許可について、
「前科がある人は許可を取れない」
という説明を見かけることがあります。
しかし、これは正確な説明ではありません。
古物営業法では、対象となる犯罪、刑の種類、刑の執行を終わった日などからの期間について具体的に定めています。
そのため、過去に刑事処分を受けたことがある場合でも、
「どのような犯罪なのか」
「どのような刑を受けたのか」
「いつ刑の執行を終えたのか」
などを確認する必要があります。
過去の事情だけで、許可を受けられるかどうかを自己判断しないことが大切です。

欠格事由に該当するか分からない場合

欠格事由の中には、単純な「ある・ない」だけでは判断しにくいものがあります。
特に、

  • 過去に刑事処分を受けたことがある
  • 過去に古物商許可を取り消されたことがある
  • 法人の役員に過去の事情がある
  • 管理者について確認したい事情がある
  • 未成年者が関係する

といった場合は、具体的な事情を確認する必要があります。
インターネット上の一般的な説明だけで判断するのではなく、法令上の要件に照らして確認することが重要です。

申請前に確認しておきたいこと

古物商許可の申請を考えている方は、次のような点を確認しておきましょう。

  • 個人で申請するのか、法人で申請するのか
  • 法人の場合、役員は誰か
  • 営業所をどこにするのか
  • 管理者を誰にするのか
  • 過去に古物営業の許可を受けたことがあるか
  • 過去の刑事処分など、確認しておきたい事情がないか

欠格事由に該当する可能性がある場合は、申請書類を準備する前に確認しておくとよいでしょう。

「自分は古物商許可を取れる?」という方へ

古物商許可を取得したいと思っても、
「昔、罰金を受けたことがある」
「以前に破産したことがある」
「法人の役員に過去の事情がある」
など、自分の場合に許可を受けられるのか不安になることがあります。
弊所では、現在の状況や過去の事情を確認しながら、古物商許可の申請について確認すべき事項を整理します。
欠格事由に該当するかどうかが気になっている段階でもご相談いただけます。
「そもそも自分は申請できるのか確認したい」という方も、まずはご相談ください。

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